太陽と雪
「どうぞ、行ってらっしゃいませ」
椎菜は、先にクルーズ船に乗せている。
俺は、クルーズ船の上空をヘリで飛びながら、一番夜景の綺麗なところで、椎菜への愛を伝えるべく、待機していた。
招待状が来た深月ちゃんや道明、美冬ちゃんや賢人。
直前まで自分たちの挙式の話し合いを兼ねて一緒にいた華恋ちゃん。
華恋ちゃんはもうウエディングプランナーとして沢山の経験を積んでいるようで、頼もしいことこの上なかった。
後輩だという男性も一緒に連れて来ていて、友達以上恋人未満、な関係に見えた。
理名ちゃんと拓実くんも、このクルーズ船乗車の為に、オペをきっちり3時間で終わらせてから来たらしい。
琥珀ちゃんと優弥も、お互い学生時代からの付き合いなんだし、結婚してもいいんじゃないかと思う。
何だかんだで、琥珀ちゃんは高校の音楽教師、優弥も高校の体育教師をしている。
教師同士だと異動もあるしで難しいようだ。
薬剤師だという成司と、何とかWebデザイナーで生計を立てているという碧ちゃん。
籍は入れたが、挙式はタイミングが難しく、まだ未定だという。
「皆様、とりわけ椎菜お嬢様が待ちわびておりますよ。
大丈夫です、深月様に依頼して、この船でのプロポーズ映像は録画してありますから。
相沢さんにも、見せられます」
「さぁ、とある仕掛けをしてあります、スカイツリーに差し掛かりましたよ。
今です、麗眞さま」
ヘリからパラグライダーを使ってクルーズ船に降りる。
風圧に皆がビックリしている一瞬の隙に、姉さんの執事である矢吹さんから、色とりどりの花束を受け取った。
その中には、カルティエのエンゲージリングが隠されている。
「行ってらっしゃいませ。
彩お嬢様も、こっそり見ておりますので」
余計プレッシャーだよ、矢吹さん……
「椎菜」
胸元部分と袖がレースになって、ウエストのリボン結びも印象的なコーラルピンクドレスを着ている椎菜。
彼女が、俺にゆっくりと目線を向けた。
彼女が着ているベージュとアイボリーの中間みたいな色のボレロが、風にはためく。
「麗眞……」
椎菜に花束を手渡したあと、そっと彼女の手を取って、言葉を告げた。
「花束、ちゃんと受け取ってくれてありがと。
椎菜。
俺と結婚してくれたら、一生かけて、椎菜を幸せにする。
どう?
応じる気、ある?」
椎菜の横にいた深月ちゃんが、さりげなく椎菜の持つ花束をそっと取り上げてくれた。
「あるに決まってる!
私も、麗眞と結婚したい、って小学生の頃から思ってたもん!
私で良ければ、お願いします!」
そう言いながら、ぎゅっと俺に抱きついてきた椎菜。
ドレスの上からでも分かる大きさの膨らみが、モロに当たる。
後でご褒美タイムだな。
「皆様、ここで外をご覧ください!
東京のシンボルスカイツリーが、このクルーズ船のためだけに、特別なライトアップをしております!」
地上350メートルの展望デッキには、こんなメッセージが投影されていた。
『おめでとう 麗眞!
椎菜ちゃん、ようこそ宝月家へ』
いくら金をつぎ込んだんだよ……
椎菜は、先にクルーズ船に乗せている。
俺は、クルーズ船の上空をヘリで飛びながら、一番夜景の綺麗なところで、椎菜への愛を伝えるべく、待機していた。
招待状が来た深月ちゃんや道明、美冬ちゃんや賢人。
直前まで自分たちの挙式の話し合いを兼ねて一緒にいた華恋ちゃん。
華恋ちゃんはもうウエディングプランナーとして沢山の経験を積んでいるようで、頼もしいことこの上なかった。
後輩だという男性も一緒に連れて来ていて、友達以上恋人未満、な関係に見えた。
理名ちゃんと拓実くんも、このクルーズ船乗車の為に、オペをきっちり3時間で終わらせてから来たらしい。
琥珀ちゃんと優弥も、お互い学生時代からの付き合いなんだし、結婚してもいいんじゃないかと思う。
何だかんだで、琥珀ちゃんは高校の音楽教師、優弥も高校の体育教師をしている。
教師同士だと異動もあるしで難しいようだ。
薬剤師だという成司と、何とかWebデザイナーで生計を立てているという碧ちゃん。
籍は入れたが、挙式はタイミングが難しく、まだ未定だという。
「皆様、とりわけ椎菜お嬢様が待ちわびておりますよ。
大丈夫です、深月様に依頼して、この船でのプロポーズ映像は録画してありますから。
相沢さんにも、見せられます」
「さぁ、とある仕掛けをしてあります、スカイツリーに差し掛かりましたよ。
今です、麗眞さま」
ヘリからパラグライダーを使ってクルーズ船に降りる。
風圧に皆がビックリしている一瞬の隙に、姉さんの執事である矢吹さんから、色とりどりの花束を受け取った。
その中には、カルティエのエンゲージリングが隠されている。
「行ってらっしゃいませ。
彩お嬢様も、こっそり見ておりますので」
余計プレッシャーだよ、矢吹さん……
「椎菜」
胸元部分と袖がレースになって、ウエストのリボン結びも印象的なコーラルピンクドレスを着ている椎菜。
彼女が、俺にゆっくりと目線を向けた。
彼女が着ているベージュとアイボリーの中間みたいな色のボレロが、風にはためく。
「麗眞……」
椎菜に花束を手渡したあと、そっと彼女の手を取って、言葉を告げた。
「花束、ちゃんと受け取ってくれてありがと。
椎菜。
俺と結婚してくれたら、一生かけて、椎菜を幸せにする。
どう?
応じる気、ある?」
椎菜の横にいた深月ちゃんが、さりげなく椎菜の持つ花束をそっと取り上げてくれた。
「あるに決まってる!
私も、麗眞と結婚したい、って小学生の頃から思ってたもん!
私で良ければ、お願いします!」
そう言いながら、ぎゅっと俺に抱きついてきた椎菜。
ドレスの上からでも分かる大きさの膨らみが、モロに当たる。
後でご褒美タイムだな。
「皆様、ここで外をご覧ください!
東京のシンボルスカイツリーが、このクルーズ船のためだけに、特別なライトアップをしております!」
地上350メートルの展望デッキには、こんなメッセージが投影されていた。
『おめでとう 麗眞!
椎菜ちゃん、ようこそ宝月家へ』
いくら金をつぎ込んだんだよ……