太陽と雪
何やらたくさんの出店が並んでいる。
「ねぇ矢吹。
なんであんなにたくさんのお店が並んでいるの?」
「あれはね、屋台っていうんですよ?
ね、麗眞」
声がした。
朝も、先程のプールでも聞いた声。朝の澄んだ
空気を思わせる、爽やかなソプラノトーン。
麗眞の想い人、椎菜ちゃんがそこにいた。
白地に淡いピンクの花柄浴衣が、彼女の可愛らしい雰囲気によく似合っている。
相変わらずなナイスバディ。
同性でも胸に目がいくのだから、気がある麗眞なら尚更だろう。
「そうそう。
屋台も知らないなんて、姉さんは世間知らずだからな……
って……
んん!?」
「麗眞は黙ってなさいな。
あら?
椎菜ちゃん?」
「は!?
椎菜までここに来るなんて、俺は知らないし、聞いてないぞ?
相沢のヤツ……
俺
に内緒で椎菜まで誘ったな?
……全く、主の俺に黙って余計なことを……」
余計なこと、と言いながら、その頬は見るからにだらしなく緩んでいる。
「全く……来るのはいいけど、はぐれんなよ?
椎菜。
人多いからな……
ま、でも可愛い浴衣着た椎菜に声掛けてきた輩は俺がぶん殴る。
容赦しねぇぜ?
ほら、行くぜ、椎菜」
そう言って、さりげなく椎菜ちゃんの手を握る麗眞。
何よ、もうヨリ戻す気満々じゃない。
しかも、姉の前で散々イチャついて!
「ふふ。
微笑ましいわね、矢吹。
あの2人。
早くヨリ戻せばいいのに。
パパに相談しようかしら」
「さようでございますね。
私たちも負けていられませんね?
彩お嬢様」
別に……張り合うことでもないと思うけど。
そんなことを思った次の瞬間。
さりげなく矢吹が腕を組んできた。
「何するのよ……」
「あまり人混みに紛れるとはぐれますし、浴衣が着崩れる原因にもなりますゆえ……
せっかく可愛らしいですのに、もったいないでございますよ。
本来であれば許されませんが、つかの間の恋人気分、でございます。
デートのお相手が執事の私では、嫌ですか?
彩お嬢様」
「そんなことないわ。
ちょっと、じゃない。
かなり照れるけれど。
ありがと」
私のため……なのね。
……全部。
いつもとは違って、直接的に褒められたからかしら?
いつもとは違って、顔が近付いた状態で可愛いって言われたから?
恋人って言われて、嬉しいなんて……思っちゃってる。
デート、という響きにも胸が高鳴った。
私、どうしたんだろう。
本当に、矢吹のこと、男の人として好き?
その後は、矢吹に言われるまま、たこ焼き食べたり、射的をやったりした。
金魚すくいとかいうものもやってみたかったけど、後が残酷だからとか言われて止めた。
「う~……
……頭痛い……」
かき氷とかいうものをお腹が空いていたせいか一気に食べ終えた私は、キーンとくる頭痛に悩まされていた。
「お嬢様。
かき氷をあれだけたくさん召し上がれば、頭痛に悩まされるのは当然でございます。
では、少し休みましょうか。
風当たりの良い場所にいらしたほうが、早く治りますよ」
「ねぇ矢吹。
なんであんなにたくさんのお店が並んでいるの?」
「あれはね、屋台っていうんですよ?
ね、麗眞」
声がした。
朝も、先程のプールでも聞いた声。朝の澄んだ
空気を思わせる、爽やかなソプラノトーン。
麗眞の想い人、椎菜ちゃんがそこにいた。
白地に淡いピンクの花柄浴衣が、彼女の可愛らしい雰囲気によく似合っている。
相変わらずなナイスバディ。
同性でも胸に目がいくのだから、気がある麗眞なら尚更だろう。
「そうそう。
屋台も知らないなんて、姉さんは世間知らずだからな……
って……
んん!?」
「麗眞は黙ってなさいな。
あら?
椎菜ちゃん?」
「は!?
椎菜までここに来るなんて、俺は知らないし、聞いてないぞ?
相沢のヤツ……
俺
に内緒で椎菜まで誘ったな?
……全く、主の俺に黙って余計なことを……」
余計なこと、と言いながら、その頬は見るからにだらしなく緩んでいる。
「全く……来るのはいいけど、はぐれんなよ?
椎菜。
人多いからな……
ま、でも可愛い浴衣着た椎菜に声掛けてきた輩は俺がぶん殴る。
容赦しねぇぜ?
ほら、行くぜ、椎菜」
そう言って、さりげなく椎菜ちゃんの手を握る麗眞。
何よ、もうヨリ戻す気満々じゃない。
しかも、姉の前で散々イチャついて!
「ふふ。
微笑ましいわね、矢吹。
あの2人。
早くヨリ戻せばいいのに。
パパに相談しようかしら」
「さようでございますね。
私たちも負けていられませんね?
彩お嬢様」
別に……張り合うことでもないと思うけど。
そんなことを思った次の瞬間。
さりげなく矢吹が腕を組んできた。
「何するのよ……」
「あまり人混みに紛れるとはぐれますし、浴衣が着崩れる原因にもなりますゆえ……
せっかく可愛らしいですのに、もったいないでございますよ。
本来であれば許されませんが、つかの間の恋人気分、でございます。
デートのお相手が執事の私では、嫌ですか?
彩お嬢様」
「そんなことないわ。
ちょっと、じゃない。
かなり照れるけれど。
ありがと」
私のため……なのね。
……全部。
いつもとは違って、直接的に褒められたからかしら?
いつもとは違って、顔が近付いた状態で可愛いって言われたから?
恋人って言われて、嬉しいなんて……思っちゃってる。
デート、という響きにも胸が高鳴った。
私、どうしたんだろう。
本当に、矢吹のこと、男の人として好き?
その後は、矢吹に言われるまま、たこ焼き食べたり、射的をやったりした。
金魚すくいとかいうものもやってみたかったけど、後が残酷だからとか言われて止めた。
「う~……
……頭痛い……」
かき氷とかいうものをお腹が空いていたせいか一気に食べ終えた私は、キーンとくる頭痛に悩まされていた。
「お嬢様。
かき氷をあれだけたくさん召し上がれば、頭痛に悩まされるのは当然でございます。
では、少し休みましょうか。
風当たりの良い場所にいらしたほうが、早く治りますよ」