幸せの意味、生きていく意味
第一章
なにもかもめんどくさい。
高校二年生。
一番楽しい時だ、と皆言うけれど
なんにも楽しくなんかない。
生きる意味なんかわからない。
かといって、死ぬのは怖い。
なにも、したくない。
どうして、人は生きていくの?
最近ずっとこの屋上で、空を見上げながら
そんなことばかり考えている。
「‥原、篠原!」
「こんなとこにいたのか、探したよ」
「奏巳‥」
少し汗ばんだ茶色の髪。
私を呼ぶ低い声。
この高校で知り合った、宝生 奏巳。
「どうしたの?こんなとこまで」
私は少し驚いた。