好きって何ですか?
「これ、君の?」



ニッコリしながらあたしの
生徒手帳をひらひらさせる。



あたし、落としちゃったのかな?


慌ててポケットの中を探る。


やっぱり生徒手帳はポケットに
入ってなくて…





「ごめんなさい…ありがとうございました」





と言った。

変わりたいのに…

また、こんなんしか言えなかった。
もっと明るく言えたら−…。




「ううん♪全然良いよ〜てかさ、」




彼は何事も無かったかのように
爽やかに話しはじめた。




「君、新しい一年生だよね??」



「はい…。」



「マジで?!実は俺もなんだ〜♪」



「は、はぁ…」



「仲間だな☆俺ら」





な、仲間?

なんで……?

あぁ、新入生ってことか。



ふと周りを見ると、
皆の視線があたしたちに集まって
いることに気がついた。





「なんであの子があんなイケメンと
話してんのー?」


「調子のんなよ」



そんなふうに言われてる気がして
気が気じゃなかった。





「ごめんなさい…私、もう行きます。
生徒手帳ありがとうございました」




彼にペコリとお辞儀をして足早に
校舎に向かおうとすると、
彼に腕を掴まれた。


びっくりして振り返ると、彼は
ニッコリ微笑んで




「俺、立花 隼人。覚えててね」
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