好きだなんて、
運良く止まっていたバスに私達は乗る。
平日でも、他の学生や仕事場に向かうサラリーマンが多くいた。
「相馬!全速力だったじゃない!」
「ごめん春乃、でも今日は許してくれよ。な?」
手を合わせて言う相馬に私は渋々許す。
私ってなんでこんなに相馬に弱いんだろう?
相馬を見ていると、なに?って言われたから、すぐ目を反らしちゃう。
高校生だからかな?
なんだか相馬が色っぽく見えちゃう…。
赤くなった頬を手でぷにぷにと触る。
「春乃、着いたよ。どしたの?」
「あ、ごめん!大丈夫だから…わわ!」
バスの階段からつまづいてしまった私は、アスファルトに落ちそうになる。
「危ない!」
誰かの身体に私の身体がすっぽりと入る。
「大丈夫か?」
「う、うん…」
相馬は私の身体から手を離した。
よかった、相馬が助けてくれなかったら今頃どうなってたんだろ?
「春乃、行くぞ」
「あ、はい!」