あなたに二度の恋をした
そうして自分のクラスに走っていく先輩の姿をぼーっと眺めていた。
「…め?ゆめ!!!」
気がつくと、中学の頃からの親友の紗弥加が顔を除き込んでいた。
「あっ、ごめん。」
「いいけど、どうしたの。移動するよ。」
私たちは体育館に移動した。
式の最中も私は上の空。
先輩のことが頭から離れない。
ボーっとしすぎて、校長先生の話も、新入生代表作の挨拶も聞き逃した。
「新入生歓迎の言葉。3年2組、高橋翔馬。」
「はい。」
…………。
えっ、今、高橋翔馬って…。
聞き覚えのある名前に、顔をあげると、あの先輩が立っていた。