大好きだから……
1話
小鳥の囀りが聞こえる。
窓から差し込む日差しに邪魔をされ、重たい瞼を開けて気づく。
実験のレポートを書いている途中に寝てしまったのだと。
「しまった。僕としたことが……」
適当に切ったボサボサの短い髪をかきむしり、ひとまず手短な所を片付ける。
いつもあまり整理整頓されていない机の上は、恐ろしいほど散らかっており、我ながらよくここまで汚くしたと少し感心する。
「今日予定が入ってなかったのが救いか……」
「そぉーだねぇ。レノン、スッゴい爆睡しててこのままずっと永遠に起きないかと思ったよぉ」