大好きだから……
ここ、リルーチェ学院は、三つの学科に分かれて成り立っている。
薬物から、化学兵器などを研究、開発する技術者を育てる“科学技術者科”
あらゆる場所でも生き残り、誰よりも高い戦闘力を発揮出来るように育てる“戦術科”
戦略、交易取引、社交的な行動をとれるように指導し、品格共にあらゆる知恵をもつ者を育てる“社交的戦略科”
この三つからなり、将来的に皆“裏”の世界で生きていく者が多い。
というか、裏の世界で生きていけるようにこの学院に入った者がほとんどだ。
「でもー、でもでもー、ここはレノンの専用研究室だからいいじゃん」
「よくねぇ。気が散る」
「ぬふふー、気にしないで?私は空気ですヨ」
「………うぜぇ」
「ひょー!!にゃははっ、当たんないよ〜」
手元の本でライカの頭を殴ろうとしたが、流石運動能力しか取り得のないやつ。軽々と僕からの攻撃をよけ、猿のように身軽に逃げまくる。
笑い方が本当に感に障る。
そろそろマジでキレようかと、新薬に手を伸ばしたとき、校内放送が流れた。
『ライカ・リグレナール、直ちに東グランドに来なさい。もう一度繰り返す……――』
「………おい、呼ばれてるぞ」
「そぉーだねぇ。今回は本当に殺されちゃうかもー」
にひひひっと呑気に笑って、窓のさんに足をかけるライカ。