ハイスクールライフInあめりか
「今日はどうだった?」
同じホストファミリーでルームシェアをしていた、イタリアからの留学生であるソフィアが帰りのスクールバスの中で私に問いかける。
「まあまあかなー。ソフィアは?」
「良かったよ」
簡単な決まり文句な挨拶を交わしたところでバスが学校から出発する。
車なら15分で着く距離だがバスだと色んな人の家を回るため40分近くかかった。
完璧に直角に曲がった茶色い革張りのイスは決して居心地がいいとは言えない。
膝の上にはカバンと百科事典並みの大きさのアメリカ史の教科書が乗っている。
授業中に課題が終わらなかったのでこんなクソ重たい教科書を持って帰って続きをやらなくてはならなくなった。
私は窓の外を見ながらため息を一つ漏らした。