好きな人ゎ生徒
ふと、高谷くんのことが頭に入った。
もしかしたら、階段にいるかな・・・?
私は、ヒール靴をカチカチとならし、あの階段へ向かった。
「ん~・・・って先生なんでいるのw」
開いた教科書を額の上にのせ寝転んでいる高谷くん。
「いるかな~って思ってね。」
私は、高谷くんの隣に座った。
改めてみると、本当にボロボロで暗い階段。
壁の塗装が剥がれ、むき出しになったコンクリートの灰色の壁。
「先生。今日も帰れる?ってかなんなら毎日俺が送るけど。」
高谷くんは私にそう言った。
心配・・・してくれてるのかな?
「・・・ありがと。でも、迷惑でしょぅ?」
私はそう言った。
「どーせ帰り道だし。」
少し沈黙があった。
「・・・じゃぁ、お願いしよぅかな。」
って・・・私何言ってるの・・・。
「ん、分かった。じゃぁ、6時くらいに、駅で待ってるから。」
高谷くんはそう言って、体を起こした。
「そろそろ行かねーとやばいかもな?」
高谷くんはそう言い、クスッと笑った。
私はその背中について行った。
このときの感情を・・・私はまだ気づいていなかった。