好きな人ゎ生徒
「河合ちゃん、かーわぃ~♪」
クラスの男の子たちが笑い立てる。
「か、可愛くなぃです!」
あたしは、少し照れた表情を見せた。
女の子は・・・やっぱり、男の先生の方が良かった、って顔をしている。
「それでゎ、出席をとります。」
私は顔と名前を一致させながら、1人ずつ名前を呼んでいく。
高谷 翔
「・・・たかたに、・・かけるくん?」
私は、そう呼んだ。
沈黙・・
私は、高谷くんの姿を探す。
「・・・たかたにくん~?」
クラスのみんなは笑い出す。
すると、1人の生徒が立ち上がった。
顔は整っていて、少しくせのある髪をした男の子。
「・・・座ってね?」
私は、その子に声をかけた。
すると、その子は私のその声を無視し、こう言った。
「俺の名前は、【たかや しょう】。たかたにかけるくんではないんですけど。」
彼はそう言うと、席に座った。
・・・
た、たかやくん・・。
私は、彼の名前の上にフリガナをふった。
はぁ~。
私は名簿帳を閉じた。
バカだって思われたかな。
・ってそれより、高谷くんに謝らないと。