バイバイハニー

「いや、でも……男……?」

もしかしたら、ただ男装しているだけかもしれない。

何か特殊な技術があって、
俺を驚かせようとしているのかも。


「そうだよ。
一紗ね、男の子になったんだぁ」

言い方は可愛らしく、のんびりと。
声の高さ以外は何も違わない。一紗だ。

だけどその言葉の意味を、
俺は素直に受け止める事が出来なかった。


「……どうして?」

俺に何か、至らない所があっただろうか。
それとも、他に誰かを好きになった?
それが女の子で、だから男に……いや、無理だ。

いきなりこんなにも変わる事は不可能なはず。


変な考えは捨て、一紗の答えを待つ。


微笑んだまま、何も言わずに
一紗は俺を抱きしめてきた。

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