バイバイハニー
「ずるいよ。
……じゃあ、猫になる。
猫可愛いもん」
またよく解らない事を言い出した
俺からずれた、一紗の視線の先を追えば、
そこには塀の上を歩く、1匹の猫が。
「いいよ、猫になりなよ。可愛がるから」
「うん、いっぱい可愛がってね」
2人してくすくす笑って、家へ帰った。
明日になったら、戻ってればいいな。
いつもと同じに2人で料理して、
それを2人で食べて。
暗くなったら2人で眠って。
首に触れてる、俺よりも体温の高い腕を感じながら、そう願った。