バイバイハニー
小さな猫と、1日を過ごす。
動物を飼った事は無かったから
不安だったけれど、大丈夫だった。
何故なら中身は一紗で、
俺の言う事を理解していたし、
一緒に本だって読めた。
だけど困ったのは、
いつも通りにしようとする事。
普段だって危なげなのに、
重い物を持とうとしたり。
一緒にごはんを作ろうとしたり。
「……一紗が猫なら、
俺だって猫がいいよ」
そんな1日を過ごして、
小さなぬくもりを抱えてベッドに。
眠りに落ちそうな寸前、そう呟く。
そうしたら鼻に、
小さく口づけを落とされた。
「にゃ」
「おやすみ」
……なんだって可愛いな。
結局その考えに行きついて、俺はゆっくり目を閉じた。