恋人という名のゲーム
店の外には本当に、久我さんが飄々と立っていた。


「どうしてこの店のこと…」

「そりゃあ、教えてくれる子がいるからでしょう」

あゆか、余計なことを。親切のつもりだろうけど、ありえない。


「美咲、何食べたい?」

「あなたとごはん行くなんて言ってません」

「この近くにイタリアンの店があるんだ。そこにしようか」


久我さんは私の話を聞く気がないらしい。私がいくら抵抗したところで店に連れてかれるのがオチだ。
もう、この人とは関わりたくないのに。


私は抗議もできないまま、諦めて久我さんについていった。
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