恋人という名のゲーム
「美咲って、押しには弱いのに、気は強いよね」

「そうですか?」

そんなふうに思ったことはなかった。久我さんに対する態度が、ぞんざいなのは否定できないけど。それだって、昨日からのやりとりを思えば仕方がないと思う。


「そうだよ。頼まれると断れないの、昔から変わらない」



久我さんの言葉に、私は前菜を食べていた手が止まった。


「…昔から?」

顔を上げると、一瞬、真顔になった久我さんと目が合った。だけど久我さんはすぐに口角を上げた。
< 18 / 51 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop