恋人という名のゲーム
3.
もともとマメなのか、それとも私で遊んでいるのか、久我くんは頻繁に電話やらメールやらをしてきた。久我くんの声はいつも穏やかで、全然マメじゃない私を責めることはなかった。
テレビを見ながらゆっくり過ごしていて、そろそろ寝ようかと思っていたときに電話がなった。
久我くんからの着信だった。
「もしもし」
『美咲、起きてた?』
「はい。久我くん、今、外なんですか?」
電話の向こうでがやがやという喧騒がかすかに聞こえた。
『うん、今仕事の帰りなんだ。美咲の声、聞きたくなって』
「遅くまでお疲れさま」
『いいね、それ、もう一回聞かせて?』
甘い声で言われて、言葉に詰まる。改めて言われると恥ずかしいことこの上ない。