恋人という名のゲーム
『まあいいよ。じゃあ、明日空いてる? 仕事終わったら飯行かない?』

「う、うん」

さっきのこともあるし、友達、ということだし、断れる雰囲気ではない。


『じゃあ、仕事終わったら迎えに行くから』

「いえ、駅で待ち合わせとかでいいですよ」

『俺が迎えに行きたいから』


きっぱりと言われると、返す言葉がない。

『夜遅くにごめんね。おやすみ』

「いえ。気をつけて帰ってください。おやすみなさい」



電話を切って、小さく息をついた。こういう感覚が久しぶりすぎて疲れる。コントロールできなくて高揚してしまった気持ちが抑えられなくて、しばらく寝つけなかった。
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