恋人という名のゲーム
照れもなくそういうことを平気で言うから、こっちはたまったもんじゃない。むしろ、余計に恥ずかしい。今すぐ着替えたい。


「照れてる? そういうところがかわいいよね」

だから、どうして平気でそういうことを言うのだろう。もう、まともに相手をしたって無駄だ。


「ごめん美咲。怒らないでよ」

全然悪いと思ってない声が笑う。そのままさらりと私の手に自分の手を絡めて歩きはじめる。私は引っ張られて歩きだした。


「どこ、行くの?」

「車借りたから、ドライブ行こう」

振り返って微笑んだ久我くんに、少しどきどきしてしまった。不覚だ。
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