恋人という名のゲーム

私に異変が起きたのは、違う、異変に気づいたのは、帰る時間になったときだ。立ち上がろうとして、ふらついた。お酒なんてほとんど飲んでいないはずなのに。

だけど頭がぼーっとしてるのも、足元のふらつきも、酔っているときの感覚だ。


「藤堂さんは俺が送ってくから」


早々と宣言して、久我さんは私の腰を支えるように歩き出した。反論しようにも拒絶しようにも、足元がおぼつかなくてどうしようもない。

久我さんにタクシーに乗せられる。方向を伝えたのは覚えている。だけど急速に睡魔に襲われて、私の意識は遠のいていった…。
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