恋人という名のゲーム
そして、私の髪をすくってちゅっと口づけた。

「おはよう。昨日はかわいかったね」

私の頭は真っ白になった。


「どうしたの? 忘れちゃった?」

「…嘘。絶対、ない」

ヤッてない、そんなかんじじゃない。ありえない。


「嘘じゃないよ。美咲の寝顔、かわいかったよ」

からかうような笑顔に腹が立ち、私の髪に触れる久我さんの手を払いのける。

「ひどいなあ、美咲寝ちゃったから、俺が介抱してここまで連れてきてあげたのに」

そう言われると困る。頼んではいないけど。道端に捨てられるのも困るけど。
< 9 / 51 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop