十三日間
結局良い案が思いつかなかったので、悪友秀悟に相談を持ちかけた。

僕は、野球部に所属している。
ポジションはショート。

秀悟は、同じクラスで、クラブも同じ野球部。
ポジションはキャッチャー。

うちの野球部は、なんとおそろしいことに、毎日部活がある。
ただし、遅い時間までやるのは週3日だけで、あとは身体慣らし程度。
監督の方針で、毎日とりあえず身体を動かし、野球をする!
一日でもブランクをあけないように、って事らしい。

今日は早く帰れる日だから、何か買って買えるにはチャンスでは?と思ったのだ。

「明日は早く帰れる日じゃないだろう?」

あ!!
し、しまった…
そうか、肝心の誘う日に遅い時間じゃ、彼女を待たしておくわけにいかないじゃないか!

がっくりしてしまった僕を見て、秀悟がため息をつく。

「明日の昼飯、一緒に食えば? その時話を聞いたり、お礼に飲み物でもおごればいいじゃん」

おお!
ぐっどあいでぃあ!
…って、昼飯を一緒に食べようって…

「それはムリがあるよ…。女子はグループでがっちり固まって食べてるじゃん」
「だから、しょうがないから俺が加勢してやるから」
「加勢?」
「大木のいるグループには、俺の彼女の樹里もいるだろ? たまに一緒に食べるのに混じってもおかしくないっしょ」

て、天使に見えるぜ、秀悟くんっ!!

もちろん、一緒に食べようって、誘うのは僕の役目だ。
それくらいできないようでは、ダメな男に見られちゃうからね。

今日の夜は、明日の昼飯の作戦を練らなくては……

て、徹夜の予感……


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