十三日間
昨日一日、このせまい部屋でやることは特になく、俺はひたすら考えていた。
そして、思い出していた。
自分の過去を。
それは、楽しい作業ではなかった。
考えては生きていけなかったから、過去は振り返らずに生きてきたから。
憶い出せば後悔してしまいたいような事や。
辛くなってしまうような事や。
嘆きたくなってしまうような事や。
…俺は、弱い人間でありたくなかったから、その全てを封印し、凍らせて来た。
そして、表面上、強固な意志を持つ、強い人間として生きてきた。
それは、それなりに評価され、そうして俺は生きて来れたのだと思ってきた。
…しかし、もう、関係無い。
あと十一日残されているとはいえ、望みを持つのは虚しいだけだ。
希望を持った人間が、その最後の希望を奪われる事ほど辛いことはない。
俺は、自分をそこまで追いつめたいとは思わない。
せいぜい、最期に痛烈に後悔し、懺悔して、詫びねばならぬ人々に、心の中で詫びてから逝くことにしよう。
そして、思い出していた。
自分の過去を。
それは、楽しい作業ではなかった。
考えては生きていけなかったから、過去は振り返らずに生きてきたから。
憶い出せば後悔してしまいたいような事や。
辛くなってしまうような事や。
嘆きたくなってしまうような事や。
…俺は、弱い人間でありたくなかったから、その全てを封印し、凍らせて来た。
そして、表面上、強固な意志を持つ、強い人間として生きてきた。
それは、それなりに評価され、そうして俺は生きて来れたのだと思ってきた。
…しかし、もう、関係無い。
あと十一日残されているとはいえ、望みを持つのは虚しいだけだ。
希望を持った人間が、その最後の希望を奪われる事ほど辛いことはない。
俺は、自分をそこまで追いつめたいとは思わない。
せいぜい、最期に痛烈に後悔し、懺悔して、詫びねばならぬ人々に、心の中で詫びてから逝くことにしよう。