十三日間
あまり悩んでいると、学校に遅刻しちゃう。

僕は、無理矢理起きあがると、汗で身体に張り付いたパジャマを脱ぐと、シャワーを浴びに行こうと、部屋を出ようとした。
昨日の夜、机の上に置いたネックレスが目にはいる。

……これ……

おそるおそる手を伸ばし、ネックレスを手に取ってみる。
昨日、みくるちゃんに見せられた時に、見たことがあるような気がしたのは、気のせいじゃなかったんだ。
僕は、これを夢の中で見ていた。
石の色が、僕の持っている物と違うだけで、デザインは一緒だ。
間違いない。

僕は手の中のネックレスをまじまじと見ながら、更に悩み出す。

夢が、僕の潜在意識から見る物なら、どうして、ネックレスをみくるちゃんから貰う前に、夢で見たんだろう?
それとも、やっぱり雑誌とかで目にしていたのかな?
それを覚えていたのかな?

それとも、正夢ってヤツ?

ううん、正夢なら、石の色まで一緒だろうし、あんなイヤな気分になるわけがない。
僕は、ネックレスを貰って、嬉しかったんだから。
夢の中のように、イヤな気分になってたりしないんだから。

僕は、ネックレスを再び机の上に置くと、シャワーを浴びに下に行った。
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