十三日間
「おはよぅっ」
後から教室に入って来たみくるちゃんは、僕と目があうと、照れたように笑って挨拶をした。
「おはよぅ」
僕も負けじと笑い返す。

うう、これがカップル同士の朝の挨拶か…。

僕は、へんな事にも感動していた。

僕らの様子がぎこちなかったせいか、気にしてみているクラスメイトが何人かいる。
そのうち、一人の女子が、
「あれ…?」
と声を上げた。
「みくる、これって、最近話題のネックレスじゃない?」
と、みくるちゃんのネックレスに目をとめる。
「カップルでペアでつけるとオシャレってやつ。……え~、彼氏出来たのぉ?」
キャーっ
とまわりの女子がとたんにみくるちゃんの周りに群がる。

こ、こわい…。
女子のその盛り上がりが、コワイ…。

それにしても、これって、そんな有名なネックレスだったんだ…。
じゃぁ、やっぱり僕でもどっかで目にしていたんだろうな。
それが僕の意識のどこかに引っかかってたんだ。

僕は、自分で納得がいったので、少し安心した。
やっぱり、夢の件はどうしたって気になっているから。
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