十三日間
僕が自分のネックレスを無意識にいじっていたのを、側にいたクラスメイトの男子が気付いた。
「あれ、水瀬…? おまえアクセとかつけるタイプだったっけ?」
のぞき込もうとしたとたん、近くにいた女子に突き飛ばされた。
その子が僕の胸元を凝視する。

女の子に、そんなに近寄られて見られるなんて、あまりない体験だからちょっとドキドキしちゃう。
みくるちゃん、ごめん!

「あ~! やっぱりぃ! みくるのとペアだあぁ! 水瀬くんでしょ、みくるっ!」

僕のネックレスを指さしながら、みくるちゃんに向かって、言う。

「水瀬くんと、付き合ってんの?」

僕はそっちのけで、女子がみくるちゃんに群がる。

やっぱりこわいぞ、女子の集団!

みくるちゃんは僕に助けを求めるように見たけど、観念したように
「うん、水瀬くんと付き合ってるの…」
と、告白した。

別に隠すワケじゃないから、いいんだけど、こんなに騒がれるとさすがに恥ずかしいなぁ。

でも、これでクラス公認になった、ってことで。

僕の方も、男子に囲まれて、ネックレスを見せびらかす羽目になった。

1時間目の先生が来るまで、僕らはちょっとしたスター気分?
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