十三日間
「大丈夫ですよ、監督。こいつ、彼女ができてうかれてるところもあったから、今日はヘンなテンションだったんでしょうし」
秀悟がヘンなフォローを入れる。

でも、そのおかげで場が和んだ。

「どちらにしろ、明日は少し様子を見て軽い練習にすることにしよう。…あまり辛くない限り、休むと身体がなまるからな!」

いつも通りのセリフを言うと、監督は立ち上がった。
「水瀬、送っていこうか?」
「いえ、大丈夫です。途中まで秀悟が一緒だし」
監督の申し出はありがたかったけど、かえって気疲れしちゃいそうだ。
「家の方には、連絡入れておきましたからね」
保健室の先生にそう言われて、僕は、帰ってからの母さんの様子を想像してちょっとげんなりしてしまった。

また心配かけちゃうな。

ま、しょうがない。

僕は保健室の先生と、監督に挨拶をして、秀悟と一緒に家に向かった。
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