十三日間
大抵は、スパイ活動に近いモノだったが、必要とあれば、力技も使うこともあった。

隠密理に人を殺す。

俺は、教育を受けている間まで、人を殺したことはなかった。
別に殺すことに抵抗はなかったが、そのために追われたり、捕まったり、そういった煩わしいことになるのが嫌だったからだ。

教育の一環として、俺は初めて人を殺した。

ナイフや、銃や、素手。
様々な方法で。
あっけなく、相手は死んだ。

そして、俺は当然憶えるだろうと思った罪悪感に、襲われることは一度もなかった。

それも、俺の才能だったのかもしれない。

躊躇なく、確実に。

教育の一環としてではあったが、俺は着実に人を殺す技術を習得していった。

その腕も見込まれて、時にそういった殺し屋まがいの仕事まで任されるようになっていたのだ。

俺だって、できればやりたい仕事ではない。
だが、俺たちに「否」はない。
命じられれば、どんな事もしなければならなかった。
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