十三日間
俺は、じぃさんにかける言葉がなかった。
何を言おうとも、じぃさんの運命は変えられない。

そして、二日後の俺の運命も。

今日のじぃさんの姿は、二日後の俺の姿だ。

十日あまり、隣にいた身として、俺はじぃさんが、あのおっさんのように見苦しいことをしないで欲しいとだけ、願った。

最期に、そんな姿を見たくはない。

だが、じぃさんはあばれる体力も気力もなかったのか、いつまでも静かだった。
普段だったら、時折話しかけてくるのに、今日はさすがに一言も発しない。

じぃさんの様子は伺い知れなかった。
< 219 / 267 >

この作品をシェア

pagetop