十三日間
「っはよ、秀悟!」
一番乗りで部活に出てた僕は、監督にも挨拶をすませ、一人でストレッチをしてた。
遅れて、秀悟がやってきた。
秀悟は、僕がいることにひどくびっっくりしてた。
休むかと思ってた僕が、一番乗りしてたんだ、びっくりするだろう。

「おい、伶。もう大丈夫なのかよ?」
僕の肩を掴んで、顔をのぞき込む。

ち、近いよ、顔!

しばらくじ~っと見ていた秀悟だったが、僕が本当に大丈夫そうだと判ってくれたのか、ようやく離れてくれた。

男同士でもドキドキしちゃうじゃん。
僕にそのケはないぞ!

「にしても、昨日学校休んで、今日部活じゃやばくね?」

秀悟に言われて気付いたけど、まぁ大目に見て貰おう。
実際、昨日は学校どころじゃなかったしね。

「今日は動かないと具合悪くなりそうなの! だからいいんだ」
僕は訳の判らない理屈をつけて、練習に励むことにした。


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