十三日間
練習は、やっぱり楽しかった。

思いっきり汗を流し、何も考えずにボールを追う。
集中して、熱中して…

うん、楽しかった!

「ぃやぁ、青春だねぇ」

練習後に水を飲みながら僕が言うと、秀悟が飲んでた水を盛大に吹き出した。

「じぃさんか、おまえは!」

秀悟のツッコミは置いておこう。
今の僕は、ほんとにそんな気分なんだ。

年取ってから、今を懐かしむより、青春まっただ中に実感する方が幸せ者ってもんだい。

などと想いながら、大急ぎで僕は着替えをすませ、校門へと急いだ。

「秀悟、悪いね、僕は今日これからデート!」

目を丸くする秀悟を置いて、僕は走り出した。


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