十三日間
寝る前に、僕はまたラベンダーの小瓶から数滴たらし、ベッドにもぐりこむ。

すっかり嗅ぎ慣れた匂いが気持ちいい。

目をつむり、寝る前に、声に出して呟いた。

「ありがとう、父さん」
もう、父さんの愛情を疑ったりしないよ。

「ありがとう、母さん」
いつもありがとう。それと、僕を産んでくれてありがとう。

「ありがとう、兄さん」
いつでも僕に一番近いところにいてくれる。頼りにしてるよ、兄さん。

「ありがとう、秀悟」
一番の、僕の親友。
これからも、ずっと親友でいてね。

「ありがとう、みくるちゃん」
大好きだよ!
これから、もっともっと一緒の時間を過ごそうね!

「ふぅ」

僕は満足げに笑って、息を吐いた。


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