十三日間
昼休み、朝の撃沈ムードを引きずってた僕は、あやうく昼飯に誘うのを忘れるところだった。

アブナイアブナイ。

昼休みになってすぐ、慌てて大木みくるのところに行く。
「ね、今日も一緒に昼飯食べない?」
「え?」

そ、そんなびっくりしなくても・…昨日の流れ的にアリかなと勝手に思っていたんだけど…。

「樹里がいいなら、いいけど」
大木みくるはそう言って、日高の方を見る。
「あたしはもちろんOKだよぉ。秀と一緒に食べれるのウレシイし」

うう、いいヤツだな、日高!

「じゃ、一緒に食べよっか。あたしちょっと飲み物買ってくるから、先に食べてて」
「あ、それおごるよ! 昨日できなかったし」
「え、いいよ、気にしないで」
「一緒に買いに行こう」

えいえい、朝みたいに弱気じゃいけない!
頑張れ僕!
今日はちょっと強引にでも、行くのだ!

「…わかった、んじゃ遠慮なく、ありがとっ」
にこっと笑って、大木みくるが歩き出す。
僕はもごもごと「いやいや、そんな…」などと呟きながら、後を追う。

ホントは4回転ジャンプでもしながらスキップでもして歌いながら歩きたいくらいの気分なんだけど。
アブナイ人になっちゃうからね、普通にね、普通に。

でも、頬がゆるむのはしょうがないでしょう。

にやけながら歩いてしまう僕であった。



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