十三日間
「あんちゃん、大丈夫かい? ずいぶんうなされとったようだが?」
隣のじぃさんが声をかけてくる。
「あぁ、大丈夫だ。ほっといてくれ」
正直、かなり煩わしい。
じぃさんだって、俺と同じ運命のくせに、よく他人に構う気がおきるもんだ。
反対隣のおっさんは、当然声などかけてこない。
たとえかけてきたとしても、それは呻き声がうるさい、とかそういう類のことだろう。
それが普通だろう。
――こんな、監獄の中では。
悲鳴をあげるような夢など、今まで見たことがない。
今まで自分のやったことを後悔するなら、悲鳴をあげるどころか、眠ることだってできなくなるだろう。
だが、俺は今までの自分の行動は、全て納得ずくのつもりだ。
だから、夢でうなされた事など一度もなかった。
――だが、今回は特別のようだ。
やはり、こんな俺でも自分の命は惜しかったらしい。
この監獄に入ったとたんに夢で悲鳴をあげるようになるとは…。
今日が一日目。
ということは、あと十二日。
それが、俺の命の期限。
隣のじぃさんが声をかけてくる。
「あぁ、大丈夫だ。ほっといてくれ」
正直、かなり煩わしい。
じぃさんだって、俺と同じ運命のくせに、よく他人に構う気がおきるもんだ。
反対隣のおっさんは、当然声などかけてこない。
たとえかけてきたとしても、それは呻き声がうるさい、とかそういう類のことだろう。
それが普通だろう。
――こんな、監獄の中では。
悲鳴をあげるような夢など、今まで見たことがない。
今まで自分のやったことを後悔するなら、悲鳴をあげるどころか、眠ることだってできなくなるだろう。
だが、俺は今までの自分の行動は、全て納得ずくのつもりだ。
だから、夢でうなされた事など一度もなかった。
――だが、今回は特別のようだ。
やはり、こんな俺でも自分の命は惜しかったらしい。
この監獄に入ったとたんに夢で悲鳴をあげるようになるとは…。
今日が一日目。
ということは、あと十二日。
それが、俺の命の期限。