十三日間
香りが消えてもしばらく、俺は横になったままでいた。
昨日は、ずいぶんと昔を思い出していたが、途中でいつの間にか寝てしまったようだ。
あまり思い出したくないことだったし、これまで思い出さないようにしてきた過去。
思考に疲れたのか、ぐったりして眠りについてしまった。
割り切ったつもりでいたんだがな…。
俺は自分の思いもかけない弱さに、思わず笑ってしまった。
笑い声を聞きつけたのか、隣のじぃさんが性懲りもなく声をかけてくる。
「楽しい夢でも見たのかい? うらやましいねぇ」
説明するのもばからしいので、俺はまた無視することにした。
この期に及んで、本当にじぃさんは人恋しくなっているようだ。
だが、俺はじぃさんの慰み者になる気はない。
残された時間、俺は思い出し、振り返らねばならぬ過去がまだあるのだ。
そんなに長い人生でもないが、薄っぺらいものではなかったと思う。
思い出さねばならぬ事は、まだまだある。
…それが、どんなに辛い過去であろうとも。
昨日は、ずいぶんと昔を思い出していたが、途中でいつの間にか寝てしまったようだ。
あまり思い出したくないことだったし、これまで思い出さないようにしてきた過去。
思考に疲れたのか、ぐったりして眠りについてしまった。
割り切ったつもりでいたんだがな…。
俺は自分の思いもかけない弱さに、思わず笑ってしまった。
笑い声を聞きつけたのか、隣のじぃさんが性懲りもなく声をかけてくる。
「楽しい夢でも見たのかい? うらやましいねぇ」
説明するのもばからしいので、俺はまた無視することにした。
この期に及んで、本当にじぃさんは人恋しくなっているようだ。
だが、俺はじぃさんの慰み者になる気はない。
残された時間、俺は思い出し、振り返らねばならぬ過去がまだあるのだ。
そんなに長い人生でもないが、薄っぺらいものではなかったと思う。
思い出さねばならぬ事は、まだまだある。
…それが、どんなに辛い過去であろうとも。