十三日間
俺が、交遊関係を広げ、表面上友人も沢山増えていくにつれ、教官達からの扱いも変わってきた。
それと同時に、シュウの態度も変わってきた。

俺に対して、シュウの方から話しかけることが少なくなってきたのだ。
俺は、俺から話しかけるようになったから、そのタイミングのせいだろうと、あまり気にしていなかった。…というより、その時には気付いてもいなかった。
友の存在に、浮かれていたんだろう。

我ながら、本当に莫迦だったと思う。

表面上、和やかに人と接することの出来るようになっていた俺は、そのころ、上の連中から高い評価を受け、教育が終わった後、どこで俺を使うか、揉めるくらいになっていたらしい。
それ以前は、シュウが第一候補だったのだそうだ。

それが、俺に取って代わられた。

シュウは、そう思ったのだろう。
自分が一番の存在であった筈なのに、俺のせいで、その地位を奪われた、と。

俺は、上の連中の評価など気にもかけていなかったから、そんな流れは一切知らなかった。
関係ないと思っていた。
教育が終われば、どこかで働かされる。
だが、それはすなわち生きていくための金を稼ぐ手段を与えられるという事で、俺にとってはそれだけでしかなかった。

シュウのように、上を望んでいなかったから。


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