囚われジョーカー【完】
そんな顔されたら、一番辛いと言うのに。
いつ別れが来るかと怯えて涙を流す私を、貴方は知らないから。だからそんな顔が出来るのか。
……いや、訂正。
そもそも。三浦さんはきっと、その事実を知った時点で何の感慨も浮かばないだろう。
寧ろそれが、ジ・エンドの合図かもしれない。
「……三浦さん。」
「なに。」
「…好きな人、いますか?」
「…………いるよ。」
自分でも、馬鹿な質問をしたと思う。
被害妄想ばかり繰り返しダメージを受けている脳に、さらなるダメージを与えまくる私を誰か罵ってくれ。
ただ単に、これから私が少しでも希望を持てるかと思ったのだ。
逃がさないと言った三浦さんの言葉に、期待してもいいのかと聞きたかったのだ。
そして、勇気を出して聞いた質問の答えがコレか。