囚われジョーカー【完】
━cigarette━
―――ピンポーン
うとうとと、睡魔に誘われていた意識は。閑静な室内に響くチャイムの音によって現実へ。
「…は?」
まだぼんやりとする意識の中で時計を見れば、時刻ばAM 01:48゙
充分、深夜である。
ソファーで寝ていたのを起こしてくれたはいいが、こんな夜中にいったい誰だ。常識を考えろ。
なんて、思いながらも頭の隅ではその来客が誰かなんて。予想は出来ている。
ガチャリ、開けたドアの向こうにいた黒色のマフラーに鼻から下を埋める姿は。何だかマヌケだ。
「時間、考えて下さい。」
「メールも返さないわ、電話にも出ないお前が悪い。」
「横暴。」
「ほざけ。」
そう言って、薄く笑った姿はやはり変わることなく妖艶だった。
不可抗力で部屋に上げざるを得ない三浦さんは、寒いを連呼している。