囚われジョーカー【完】
「み、うら…さん…?」
私の絞り出した声は掠れていて、騒がしい街の喧騒へとのまれた。
ああ、待って、これは夢だと誰か言って……
藍色が滲んだような空はなんだか息苦しく霞んでいた。それは多分、私の視界が霞み始めているからで。
再度確認しようにも。拭っても拭っても霞んでしまう世界のせいでハッキリと確認することが出来ない。
でもそれが、ある意味救いでもあり゙気のせい゙である可能性も少なからず自分の中で作ることができる。
――――そんな、ささやかな願いは。この空のように、私を嘲笑うかのごとく散っていった。
「あ、見て下さい三浦さん!」
彼女は確かに、今、三浦さんと口にした。