囚われジョーカー【完】
━perfume━
――――…三浦さんは、何度も何度も私との繋がりを求めた。
手放した意識の先で、私は三浦さんと行為に堕ちた日を思い出していた。
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「菫ー。」
私の名を呼ぶ彼と出会って数ヶ月。季節は夏の終わり頃だっただろうか。
バイト終わり、明日香さんに食事に誘われた帰り道。携帯の画面に綴られた番号に電話をしようか迷っていれば、ロートーンで名を呼ばれた。
声の主を探すためキョロキョロと辺りを見回せばすぐに発見。丁度、電話をしようとしていた相手だったから少し驚いた。
「三浦さん。」
「偶然ー。どしたの?」
「バイト先の先輩と、食事してました。」
「ふーん。」
自分から聞いてきたくせに興味なさげにそう言う三浦さん。この頃から、この態度は健在だ。