囚われジョーカー【完】



「一緒に、清水ちゃんの家行こうか。」

「…え?」

「お見舞いがてら、からかいに行こう!」



いやいや、そこお見舞いだけでいいじゃないか。病人からかうなんて貴女どんだけS気質なんですか。


ニッと、悪戯っこのように笑った明日香さんはさっさと着替えを始めてしまう。



どうやら、清水くんをからか……お見舞いに行くのは決定事項らしい。


渋々といった様子で私も着替えを始めようとすれば、部屋のドアを二度ノックする音が響く。




明日香さんと一瞬顔を見合わせる。彼女が声を張り上げ「開いてまーす」と言えばドアノブが回り開くドア。



向こうから顔を出したのは、店長兼、我が叔父だった。




「どうしたの?」

「いや、なんか菫居るかって聞いてきたお客さんがいるんだけど。」



知り合いかなって、と首を傾げた叔父さんに私も首を傾げて返す。




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