囚われジョーカー【完】
「…それは、俺のせいだし仕方ない…」
「仕方なくないんです!だって、じゃないと、私は本当に…」
三浦さんの傍にいた意味がないじゃないか。
もう一度謝罪の言葉を告げようとした私の唇は、三浦さんによって声ごと奪われてしまった。
今度は正面から抱きしめられ、腰と後頭部に回る腕の力強さが胸を締め付ける。別の意味で苦しいそれは愛しいから。
重なるだけだったキスは、舌が差し込まれたこてにより官能的なものへと変わる。
漏れる息は荒く、感情的に重なる唇にどこか余裕のない三浦さんを窺えた。
離れた唇から息を貪りながら、三浦さんの名前を呼べば。
「…謝られたら、もっと俺が惨めになる。」
「、」
「お前が苦しんだのは、曖昧に濁してきた俺のせい。だから、お前が謝るの見るのは気分が悪い。」
だから謝るな、と私の耳元で囁いた三浦さん。