囚われジョーカー【完】
━nestle━
――――目が覚めれば、私は三浦さんに抱き締められたままベッドの上にいた。
この白いシーツにも、三浦さんの香りが染み着いてて。それだけで胸があったかい気持ちを覚える。
私は、私自身が思っている以上に三浦さんに惚れているのだろう。
まあそんなこと、恥ずかしくて口が裂けても言えないけれど。好きとか、愛してるとはまた違う言葉に頬が熱くなった。
と。
「なーにニヤついてんの。」
「ッ…!」
そんな吐息混じりの色気だだもれな声が耳元で囁かれ、不覚にも私は肩をビクンと跳ね上がらせた。
叫び声を上げなかっただけ、よくやった私。
三浦さんはまだ少し眠そうに目をしょぼしょぼとさせながら、私を見つめていた。
意識を手放す前の情事を思い出し、頬が熱を持ち始めるのが分かった。
「菫、今日大学は?」
「午後からです。」
「バイトも…」
「あります。普通に。」