囚われジョーカー【完】
クスクスと笑った三浦さん。その姿は私の胸を高鳴らせるには充分すぎるほどのものだ。
素直になればいいものを、こんな所で負けず嫌いを発揮する私は三浦さんを睨みながら。
「浮気したら、許しませんよ。」
「おー怖いな。」
「私も、独占欲は強い方だったらしいんで。」
「らしい、かよ。」
ははっと笑った三浦さんに私も小さく小さく口角を持ち上げた。
三浦さんは指に私の髪を巻き付けて弄ぶ。片腕はまだしっかり私の腰を抱いていて、三浦さんの独占欲を窺える。
「…心配すんな、菫。」
「……。」
「愛してあげるよ。」
「……嘘つき。」
――――貴方の場合、愛してあげると言うのではなく
「囚える」と言うのが当たりだろう。
そう言えば、三浦さんは無防備な笑顔を浮かべてそっと熱い口付けを降らせた。