囚われジョーカー【完】
思いは口にしなければ
相手に伝えることは出来ない。
貴方を思えば思うほど
涙だって、流れる。
愛されたい、と思う。
資格を、求める。
これを聞いたら、貴方はきっと笑って
「そんなん気にするな」と言うはず。
でも、気になるのは
貴方を誰より愛しているから。
これから先、泣かずに過ごせるなんて保証はない。寧ろそれは無理だと思う。
それでも、思うんだ。
―――囚われた
それなら、私だって
―――貴方を囚えた
なら、2人揃って
苦く甘い、煙草とシトラスの香りがする牢獄にでも囚え合おう。
「み……春海、聞いて。」
「ん?」
「私も、貴方を愛してあげます。」
「…、」
だから、貴方も私を逃がさないように囚えていて。