囚われジョーカー【完】
麻乃さんと一緒にそれを壁に貼っていき、飾り付けは無事終了。
ふと壁に掛けられている時計を確認すれば、春海と和也さんが帰って来るまで、後25分程になっていた。
「料理も大丈夫だし、後は……ケーキ!」
「私も手伝います。」
「上のトッピング2人でやろう。」
「はい。」
麻乃さんに並ぶように私もキッチンに立ち、麻乃さんが冷蔵庫から取り出した白い生クリームが綺麗に塗られた円柱のケーキを見下ろした。
事前に2人で買い物に行ったときに購入していたイチゴの余りをのっけていく私と。
挟むように生クリームを絞る麻乃さん。
白いホワイトチョコレートの丸い板に、チョコペンでお互い名前を書いてそれを中心に立てた。
―――ピンポーン
その時、室内にチャイムの音が軽やかに響き。私と麻乃さんは目を見合わせ「セーフ」と笑い。
足早に玄関へと向かった。