囚われジョーカー【完】
了承という馬鹿をやらかしてしまった私に降って来るのはキスの嵐。
何度も何度も角度を変えて重なる唇に息苦しさを覚え、自然に真一文字に結んでいた力を緩めれば。
隙あり、と熱い舌が差し込まれる。
逃げても逃げても巧みな動きで絡め捕られる舌に苦しさから生理的な涙が出る。
やっとのことで離された唇。思いっきり空気を貪る私に、男は容赦ない。
私の脇の間に手を入れると、軽々と持ち上げシンクの横のスペースに座らせられる。
そして、再び重なる唇に私は拒むことはしなかったのだが、それが失敗だった。
三浦さんは私のジーパンのチャックに手をかけ始め、あろうことかここで情事を始める気なのだ。