囚われジョーカー【完】
と。
視線に気付いた三浦さんは、ゆったりとした動作で振り返り柔和に微笑むと手招きをした。
窓を開けベランダへと出ると冬だけあってやはり寒い。肌を撫ぜる風に身震いしてしまうほどだ。
なのに三浦さんはシャツのボタンをほぼかけていないと、上半身は露出度が高すぎる。
「…寒くありませんか?」
「んー…、寒いな。」
ははっと笑いそう言った三浦さん。なら入りましょうよと呆れながら勧めた私に、彼はこれ吸ったらなと火のついた煙草を見せてきた。
ならせめて厚着してくれないと、風邪でもひかれたら私が困る。
一旦部屋に戻り寝室へ戻った私はクローゼットに掛けてあった大きめのサイズのそれをひっつかみ再び三浦さんの元へ。