囚われジョーカー【完】
―――――その後は。
叔父さんのコートをクリーニング屋にお願いして、そこまで着いて来てくれていた明日香さんと清水くんが朝食を食べに行くのに誘われた。
初めは遠慮したけど、最早連行並みの強引さでお供させられた。
3人で肩を並べ、明日香さんの男勝りな勢いにのまれながらも清水くんと共に応戦。そんな愉快な?会話を交わして十数分。
到着したのは―――――――――…
「ハロー、皆さーん!」
躊躇なく店内に踏み込んだ明日香さんに続き、私も店内に足を運ぶ。カウベルの心地良い音がして、なんとなく張っていた気持ちも緩んだ。
「いらっしゃー、てあれ?明日香ちゃんと清水くんと……」
軽やかな足取りで近寄ってくる中年の男性は、最後に辿り着いた視線の先の私を確認した瞬間。その目を嬉々とさせ輝かせた。