囚われジョーカー【完】




「菫じゃん!!うそ、叔父さんに会いに来たの!?」

「冗談は顔だけにして。」

「嬉しいな俺。最近、菫は冷たいから寂しかったんだよー。」

「だから違うし。その午前と午後のテンションの違い気持ち悪い。」



……そう、私達が来たのはバイト先のお店。我が叔父がいる図書館近くの洒落た喫茶店だ。

よりにもよって此処、しかも朝ですかと内心嫌々ながらも逃走は不可能。


なぜなら、私の手首はがっちりと明日香さんに捕まれ席へと引きずらているから。




「私、モーニングを。」

「俺もー。」

「はーいはい。菫は?」


席に着くなり注文を告げる2人に叔父さんは笑顔を返し、私に向かい首を傾げる。

メニューは頭の中に入ってるし、その中から注文をぶっきらぼうに呟く。





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